親知らずの話の続きではありません。
10年以上前の話ですが、割と昨日のことのように思い出せます。
もくじ
大人のおたふく疑惑
20歳前後だった頃の話。
ある日、顔の片側が痛みとともに腫れてきた。
顔全体ではなく、顎らへんというか耳の下らへん。
初めは気にしていなかったけれど、日に日に腫れが大きくなってきた。
痛みもどんどん増してくる。
え、なにこれ?おたふく??
おたふくの恐怖
僕は子どもの時、おたふく風邪(流行性耳下腺炎)にかかっていない。
ワクチンは1度打っている。
だが、それでもかかってしまうことはある。
有名な話かもしれないが、大人になってからおたふく風邪にかかると危険だ。
恐ろしきムンプスウイルス
おたふくはムンプスウイルスによって起こる。
子どもではあまり起こらないが、大人がおたふく風邪にかかると、ムンプスウイルスが精巣にも感染し、急性精巣炎になりうる。
恐ろしいことに、急性精巣炎は不妊症の引き金になるのだ。
100%不妊症につながる訳ではない。
おたふくから急性精巣炎になる人の割合は10〜30%。
さらに急性精巣炎から不妊症になる人の割合は20〜30%だそうだ。
しかし可能性があるだけで恐ろしい。
極めつけは、ムンプスウイルスに効く薬がないという事実。
(詳しくはこちらhttps://medicalnote.jp/contents/150401-000009-NRHJPH)
勝手におたふくと断定
そういえば、バイトで小さい子どもがいるところに行っているが、最近おたふくで休んでいる子がいた。
ウイルスに触れている。
これは確定だ。
あぁ。僕はおたふくになってしまったのか。
どうしよう、精子が死んでしまう。
それにしても腫れている所が痛い。
病院に行こう。
病院へ
病院へ向かう途中、色んなことを考えた。
当時教員を目指していた僕。
「そうか。子どもが出来なくても、仕事で子どもと関われるからいいんだ。神様が僕に教職を勧めているんだ」
と、既に不妊症を受け入れる準備まで始めていた。
何ならもう睾丸も痛みだしてきた。
さようならぼくの精子。
到着
病院は混んでいて、待合でも同じことを考えていた。
諦めの境地もだいぶ高まった頃、やっと診断。
診断結果=唾石症
「これは唾石症ですね」と先生。
唾石症?
おたふくじゃないの??
「石が出来ていて、それが唾液の出る穴を塞いでいるんですよ」とのこと。
詳しくはこちら(https://medical.jiji.com/topics/32)
「え、じゃあこの腫れは?」
「唾液腺の炎症と、唾液です。」
急に恥ずかしくなった。
おたふくおたふくと騒いでいた腫れの中身が、唾液だったんだから。
精子を心配したあの時間は?
あの睾丸の痛みは??
そういえばもう全く痛くない。
石を取り除いてもらった
早速石を取り除く処置に。
そんなに苦労した印象はない。
何より驚いたのは取り除いた後。
「取れましたよ。ほら、唾液が出てますよ」と言って、鏡で口の中を見せてくれた。
珍しいものが見れた。
唾液が噴水のように噴き出しているのだ。
テッポウウオみたいだ。
思わず笑ってしまった。
しかも、腫れている部分を押せばその勢いが強まる。
一種の快感まであった。
予後
その後、数日で腫れは治った。
痛い、怖いと騒いでいたのが嘘のようだ。
あれから10年以上は経つが、再発したことはない。
まとめ
顔が腫れても、おたふくとは限らない。
唾石症かもしれない。
どちらにせよ、早めに病院の診断にかかることをお勧めします。